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成長と口呼吸について(論文紹介)
こんにちは!
広島市佐伯区の歯医者あい歯科・こども矯正歯科クリニック
院長の田中です。
今回は「成長と口呼吸」の関係についての論文紹介と考察です。
ちなみに今回の論文のリンクを貼っておきますのでグーグルで翻訳してもらえたら、より深く理解できるかもしれません。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30611649/
今回の論文はシステマティックレビューです。
口呼吸に至る原因について、著者はアデノイド肥大、口蓋扁桃の肥大やアレルギー疾患などの他に鼻の中の構造に異常をきたすような腫瘤の存在や変形をあげていらっしゃいます。
臨床的には細長いお顔や口ポカン、薄い上唇と反転した下唇、目の下のクマを認め、いびきや、歯軋り、指しゃぶりや爪を噛むなどの癖も現れるようです。咀嚼や嚥下にも異常があり、就学前にその問題は起こっているようです。
当然ながら睡眠呼吸障害に陥っている場合が多く、このような場合集中力の欠如、多動性、朝の疲労感、学習障害、体重や身長の増加が遅れることもあるらしいです。
私の感覚から言えば、最近歯の萌出がやたら遅い子どもが増えているように思いますが、成長の遅れとこの問題がリンクしているように思うのは考えすぎでしょうか?今後論文を探してみたいと思います。
睡眠と成長の関係について
睡眠とは「知覚が解放され環境に対する反応が欠如している可逆的な状態」と定義されています。
睡眠はノンレムとレムに分類され、ノンレムの第3層(深い睡眠)まで到達することでデルタ波と成長ホルモンが分泌されるようです。つまり先ほど書いたような成長の遅れは睡眠障害が関わっている可能性があるのです。
私たちの矯正では子どもの成長を利用することが大切ですので、眠れるようにすることが最初の大きな課題になりますね。
気道に閉塞があり睡眠障害が起これば成長ホルモンの分泌が減るので、当然ながら成長には問題が現れます。これに加えて食欲不振や嚥下障害、低酸素血症、そしてアシドーシスや呼吸量が増えてしまうためにエネルギー消費も増えてしまうようです。
呼吸量が増えるのは、良いことではなく換気量が増えてしまうことなので二酸化炭素の濃度が下がります。このことが血管や気道の閉塞を招くために身体にとっては疲れる状況になってしまいます。
アシドーシスは逆に閉塞が起こってしまい二酸化炭素を上手く吐き出せない状況のために起こりますが、こう考えると閉塞と過換気という両極端な状態が起こるわけですから、身体への負担は大きくなるのは間違いなさそうです。
やはり、口呼吸は怖いものです。
大切なのは成長を逃さずにこの問題にアプローチすることです。
成長が終われば骨格の成長には頼れませんので、外科的に骨を切って顎を広げるか、喉ちんこなどの軟組織のカット、そこまで至っていなければマウスピースやCPAPでも対応は可能ですが、経験者目線で言うなら装置を入れて寝るのはとてもシンドイものです。
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