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『口呼吸=呼吸がしにくいことが原因』と考えるべし!
こんにちは!
広島市佐伯区の歯医者
あい歯科・こども矯正歯科クリニック
院長の田中です
久しぶりのアップになります
口呼吸は今や万病の元とも言える存在ですが、もちろん歯並びにも強い影響力があります
歯並びがガタガタになる大きな原因は口呼吸によって顎の成長が悪くなることなのですが、そもそも何故口ポカンになってしまうのか?ということについては「筋肉が弱ってしまった」という解釈が多いように思います
また筋力が弱くなったという背景には「最近の若いもんは硬いものを食べなくなってしまった」とご年配の方からお叱りを受けてしまいそうなのですが、
実は硬いものを小さい頃から無理やり食べさせるのは歩けるようになったばかりのお子さんに、いきなりフルマラソンを走らせるのと同じくらいに身体にとっては無理がかかります
何故なら咀嚼筋と呼ばれる筋肉たちはアウターマッスルの仲間だからです
今やトレーニングはインナーマッスルから鍛え始めるのは常識になっているように思いますが、例えばこれを読んでいる方が、「よし!」と思いたって100kgの鉄アレイで上腕二頭筋を鍛え始めてみたらどうでしょうか?
きっと二頭筋以外の全身を使って鉄アレイを持ち上げる「代償」が起こるだろうし、体幹が壊れて怪我をしてしまいますね
咀嚼でも同じ起こります
噛みにくいものを噛み砕こうとすれば肩や首に過剰に力が入ったり、首を前に出してかろうじて肉類を嚥下できる大きさまで咀嚼するのでしょうが、それはあたかも肉食獣が肉を引きちぎってムシャムシャ食べている様子によく似ているのではないでしょうか?
「犬食い」とはよく言ったものですが、ひょっとすると「硬いものを食べる方が顎が育つ」という教育が犬食いの子供を増やしている可能性すら感じてしまいます。

話を本題に戻しましょう
口呼吸は決して「筋肉が弱ったから」でも「だらしないから」でもないということを子供に代わって代弁しておこうと思います
北里大学内科学の大坂先生の呼吸筋に関する論文の中で呼吸筋の分類がされています
急迫呼吸、つまり呼吸ができない危機的状況下では随伴筋と呼ばれる筋肉たちが共同して働くことになっているのですが、これが顎の開閉に関わる筋肉なのです
つまり、呼吸ができないことに対して身体は「口を開く」状態を作って吸気量を確保しているに過ぎないと考える方が遥かに理論的で腑に落ちるのです
現在の歯科の世界ではMFTと呼ばれる筋機能訓練によって「口を閉じさせる」という試みが花盛りなのですが、機能訓練には一定の意味がありますが、物事の本質からは程遠い対症療法に過ぎない(口が開いている症状に対して口を閉じる訓練をするのはまさに対症療法ですね)ように見えてしまうのです
私のクリニックでもMFTには力を入れていますが、それはあくまでこれまでの代償により賄われていた機能を正常化するために正しい運動回路を脳に上書きさせるためのトレーニングとして捉えています
口呼吸の放置は小顎症などの器質的な変化を起こし、やがてそれが「閉塞」という形で無呼吸を引き起こす原因となってしまう可能性が高い恐ろしい状態です
もちろん歯並びが気になってのご相談で十分ですので、口呼吸や歯並びに問題を感じたらすぐに相談してほしいです
可能な限り力になれるように努力してまいります
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